長時間変動する荷重下にある材料は疲労破壊を起こします。図47に片持曲げ疲労試験による応力-寿命曲線を示します。条件は試験片厚み6mm、繰返し速度35Hz(両振平面曲げ)、温度23±1°C、湿度RH60±5%です。
 これからCM1017(ナイロン6)の107回における両振疲労限度は19MPaであることがわかります。
 また、表9はナイロン66の引張圧縮疲労試験結果を示したものです。

図47. CM1017(ナイロン6)の応力-寿命曲線

図47. CM1017(ナイロン6)の応力-寿命曲線

表9. ナイロン66の疲労耐久限度(30Hz)
吸水率(%) 温度(°C) 耐久限度(MPa)
0 73 35
2.5 73 21
2.5 100 14
図48. ナイロン6の疲労強さにおよぼすノッチの影響

図48. ナイロン6の疲労強さにおよぼすノッチの影響

切欠きのある場合は、応力集中によって疲労強さは低くなります。また重合度の高いものほど疲労強さは高くなります。
 繰返し速度が大きい場合または応力変動の大きい場合は、ヒステリシスによる内部発熱量が大きいので放熱させるよう工夫する必要があります。