射出成形

成形条件

CM1026、CM3006とも一般グレードと同じ条件で成形可能である。
成形温度は樹脂温度でCM1026は230~260°C、CM3006は260~290°C、金型温度はCM1026、CM3006とも60~80°Cが適当である。
流動性はスパイラル流動長の評価でCM1026、CM3006ともL/T200位で良好である。
黒などに着色する場合、マスターカラーペレットを混合使用する場合はスクリュー式射出成形機を用いる必要がある。
その他射出成形に関する詳細データは東レナイロン技術の手引「射出成形編」を参照されたい。

金型設計

成型収縮は成形品形状、肉厚、成形温度、金型温度、圧力、などによって複雑に変化するが、CM3006による例を図32に示す。このデータは平板状成形品の場合であるが、円筒状の成形品の場合は平板状の成形収縮率の約70%位である。
抜き勾配は円筒の内面はとくに大きくする必要がありおよそ1~1.5°位が適当である。
なお金型温度は60~80°Cが適当であるが、温度をできるだけ一定にしかも均一に保つことが重要である。

図32 成形条件と成形収縮率 図32 成形条件と成形収縮率

図32 成形条件と成形収縮率

ペレットの吸湿性

ナイロンは吸湿性があり,成形時に吸湿による発泡あるいは銀条などのトラブルを防ぐために約0.2%以下に乾燥しておく必要がある。実際にはナイロンの製造時に0.1%以下に乾燥してあるので成形前に乾燥する必要はないがホッパー内に長時間放置しておくと徐々に吸湿してトラブルの原因になることがある。
吸湿速度を知るためにCM3006について各湿度条件下で重量変化を測定した結果を図33に示す。吸湿の限界は約0.2%であるから放置しうる限界は40%RHのとき約20時間、80%RHのとき約1時間である。

図33 ナイロン66ペレットの吸水速度

図33 ナイロン66ペレットの吸水速度

材料:ナイロン66(CM3001N、CM3006)
   ペレット形状 3.0×3.0×3.0mm
温度:23±1°C
湿度:40~80±3%RH