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電気的性質
電気的性質
表8に東レPBT樹脂トレコン™の代表的グレードの一般的な電気的性質を、表9に各種樹脂との比較を示します。
東レPBT樹脂トレコン™は良好な電気的性質を有し、低吸水性、耐熱性、耐薬品性などのすぐれた特長をもちあわせているので、電気機器部品、自動車部品などに適した樹脂です。
性 質 | 単 位 | ASTM | 1401X06 | 1101G-30 | |
---|---|---|---|---|---|
体積固有抵抗 | Ω・m | D257 | 4×1014 | 2.5×1014 | |
絶縁破壊強さ | MV/m | D149 | |||
短時間、1mm厚 | 27 | 37 | |||
短時間、3mm厚 | 17 | 23 | |||
比誘電率 | 50Hz | D150 | 3.3 | 3.7 | |
1kHz | 3.3 | 3.7 | |||
1MHz | 3.3 | 3.6 | |||
誘電正接 | 50Hz | D150 | 0.002 | 0.002 | |
1kHz | 0.002 | 0.002 | |||
1MHz | 0.02 | 0.02 | |||
耐アーク性 | sec | D495 | 144 | 120 |
体積固有抵抗 Ω・m |
誘電率 50Hz~1MHz |
誘電正接 50Hz~1MHz |
耐電圧 MV/m 1/8"厚 |
耐アーク性 s |
|
---|---|---|---|---|---|
"トレコン"1401X06 | 4×1014 | 3.3 | 0.002~0.02 | 17 | 144 |
ポリアセタール(共重合) | 1012 | 3.7 | 0.001~0.0015 | 20~23(1/16") | 溶融 |
ナイロン6 | 7x1012 | 3.4~4.0 | 0.01~0.03 | 23 | 140 |
ポリカーボネート | 2×1014 | 2.96~3.17 | 0.001~0.01 | 16 | 125 |
変性PPO | 1015 | 2.64~2.68 | 0.0007~0.0014 | 20~22 | - |
ジアリルフタレート | 2×1014 | 3.4~3.6 | 0.009~0.011 | 18 | 118 |
フェノール樹脂 | 109~1010 | 5~15 | 0.08~0.50 | 12~13 | 20 |
不飽和ポリエステル | 1010~1012 | 3.2~4.3 | 0.006~0.05 | 20 | 125 |
Ⅰ. 体積固有抵抗

図19 体積固有抵抗の湿度依存性
図19に非強化グレード1401X06の体積固有抵抗の温度依存性を示します。東レPBT樹脂トレコン™は広い温度範囲にわたって良好な電気絶縁性を維持します。
表10にガラス繊維強化グレード1101G-30を熱劣化させた後の絶縁抵抗を示しますが.150°C×1,000時間ではほとんど変化がありません。
表面固有抵抗 (Ω) |
体積固有抵抗 (Ω ・m) |
|
---|---|---|
未処理 | 7 x1013 | 2 x1014 |
150°C、1000hr | 9 x1013 | 4 x1014 |
測定条件:電圧100V、温度23°C、50%RH
Ⅱ. 誘電特性
図20、21に東レPBT樹脂トレコン™の非強化グレード1401X06の誘電特性の温度依存性を示します。東レPBT樹脂トレコン™は広い温度範囲にわたって誘電特性の変化が少なく、また表8に示す通り、周波数による影響もほとん どありません。
図20 誘電率の温度依存性
図21 誘電正接の温度依存性
Ⅲ. 絶縁破壊強さ
東レPBT樹脂トレコン™の非強化グレード1401X06の絶縁破壊強さは3mm厚で17MV/m、 1mm厚で27MV/mと良好です。
ガラス繊維強化グレード1101G-30では3mm厚で23MV/mとさらに向上しています。
また1401X06、1101G-30とも150°Cで2ヶ月熱劣化させてもその絶縁破壊強さはほとんど低下しません。
東レPBT樹脂トレコン™1401X06、1101G-30の絶縁耐力の耐熱温度のUL登録は1/8~1/32インチ厚で140°Cとなっています。
Ⅳ. 耐アーク性
高電圧アーク放電による樹脂表面上の炭化導電路生成にもとずく、アーク絶縁劣化は重要な性質です。表8に示し たように1401X06、1101G-30の耐アーク性は各々144s、120sと熱可塑性樹脂の中ではもっともすぐれています。