化学的性質が優れている

化学的性質

Ⅰ. 耐化学薬品性

トーレペフ™は素材がポリオレフィンであることと電子線により架橋されているために、耐化学薬品性はきわめて優秀です。耐化学薬品性試験結果を表1に示します。トーレペフ™は四塩化炭素、トルエン、ヘプタンなどによりやや膨潤を受ける程度で、ほとんどの薬品に対して侵されません。しかし加熱した芳香族系炭化水素には一部溶解します。

表1 トーレペフ™(30060)の耐化学薬品性(23°C 一週間浸漬)
薬品名 変色・亀裂の発生 寸法変化 吸収率
(mg/cm2)
備考
蒸留水 なし <1  
硫酸 30% なし <1 厚み減少
硫酸 3% なし <1  
硝酸 10% なし <1  
塩酸 10% なし <1  
カセイソーダ 10% なし <1  
カセイソーダ 1% なし <1  
炭酸ソーダ 2% なし <1  
アンモニア水 10% なし <1  
食塩水 10% なし <1  
過酸化水素水 3% なし <1  
酢 酸 5% なし <1  
クエン酸 10% なし <1  
オレイン酸 なし <1 厚み減少
石炭酸 5% なし <1  
酢酸エチル なし 3  
エチルアルコール 95% なし <1  
エチルアルコール 50% なし <1  
アセトン なし 3  
ヘブタン なし 9 やや膨潤
トルエン なし 16 やや膨潤
二塩化エチレン なし 3  
四塩化炭酸 なし 23 やや膨潤
ガソリン なし 11 やや膨潤
自動車油 わずかに黄変 <1  
なたね油 なし <1  
シリコーン油 なし <1  

寸法変化 ◎なし ○厚さ方向にやや変化(5%未満) △かなり変化(5%以上)

Ⅱ. 耐候性

トーレペフ™の屋外暴露試験を行なった結果を図1に示します。トーレペフ™では約8ヶ月から1年間耐えますが、それ以上になると表面層の劣化が目立つようになることが判明しました。同時に行なった各種プラスチックフォームのうち軟質ウレタンフォームが1~3ヶ月で完全に劣化し、ポリスチレンフォームは3ヶ月後に表面層の劣化が目立つようになり、8ヶ月後には厚みも半減します。また軟質塩ビフォームはきわめて大きな収縮を示します。なおウェザーテストによるトーレペフ™の促進耐候試験では1500~2000時間の暴露ではじめて表面層がもろくなり、亀裂が発生して劣化がめだつようになるにすぎません。ただし、PPグレードは耐候性がやや劣り、単品での屋外使用は不適当です。耐候性のよい表皮材、例えば塩ビシートなどで被覆すれば問題は解消します。

図1 トーレペフ™(30060)の屋外暴露による変化

※本データは特定条件下で得られた測定値の代表例です。数値は規格として利用できません。
図1 トーレペフ™(30060)の屋外暴露による変化

Ⅲ. 毒性

厚生省告示第20号に基づく衛生試験に適合した、衛生的な材料であるといえます。本製品の取扱い時には、 事前に製品安全データシート(SDS)を良く読んで取扱って下さい。
※本データは特定条件下で得られた測定値の代表例です。数値は規格として利用できません。