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圧縮特性
Ⅰ. 圧縮試験について
Fig.5.46 A900 圧縮S-S曲線(23℃)
圧縮特性は、試験片の切削断面(流れ方向)に対して垂直方向に一定速度で圧縮負荷をかけたときの最大強さ(応力)で表します。(Fig.5.46) 圧縮強さは、引張り特性と同様に降伏点を超えた後に徐々に塑性変形を示すものの、ある一定ひずみを超えると破壊せずに座屈するため圧縮強さが急激に低下します。この座屈は、圧縮試験特有の現象であり材料の弾性率や試験片の歪みが影響して起こります。非強化PPSでは、降伏強さが最大となりますが、強化系PPSのように弾性率が高く脆性破壊する材料では、降伏点に達する前に座屈することから座屈荷重が最大となる場合が多く見られます。
Table.5.4 トレリナ™の圧縮特性 (23℃)
項目 | 単位 | ガラス繊維強化 | ガラス+フィラー強化 | エラストマー改質 | 非強化 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A504X90 | A604 | A310MX04 | A610MX03 | A673M | A575W20 | A495MA2 | A900 | A670T05 | ||
圧縮強さ | MPa | 270 | 280 | 240 | 250 | 210 | 260 | 240 | 110 | 90 |
備考 | - | 座屈強さ | 降伏強さ |
- ※ひずみ速度:1mm/min
Ⅱ. 温度依存性
トレリナ™の代表的な9グレードの圧縮強さの温度依存性をFig..5.47~50に示します。圧縮特性の温度依存性は、他の機械的性質と同様にガラス転移温度付近から変化が大きくなるものの、リニア型ポリマーと架橋型ポリマーの影響は小さく、強化材の含有率が高いほど高温下での圧縮強さは高い傾向にあります。
Fig.5.47 圧縮強さの温度依存性(GF強化系)
Fig.5.48 圧縮強さの温度依存性(ハイフィラー系)
Fig.5.49 圧縮強さの温度依存性(エラストマー改質系)
Fig.5.50 圧縮強さの温度依存性(非強化系)