再生使用

トレリナ™はスプルー、ランナー等の再生使用に際しては、熱履歴をうけることおよび成形工程で受けるせん断力による強化材の損傷により機械特性や成形性が変化することに注意する必要があります。一般的に、再生により機械的強度は低下しますが、電気特性、摺動特性、燃焼性、耐薬品性等は大きく変化しません。A504X90の再生による特性変化を図Fig.5.1~4に示します。条件は下記の通りです。

射出成形条件:
シリンダー温度320℃、金型温度130℃(予備乾燥:130℃×3h)
再生方法:
成形品を粉砕機で粉砕して再生材を作製。再生材比率=30、50、100%にてバージン材と均一混合し、射出成形に供する。
再生回数:
1~5回

再生材比率30%以内であれば物性は90%以上保持されますが、再生材の使用にあたっては、再生材自身の管理を厳密に行い、製品の要求品質を十分検討した上で再生材比率を決めて下さい。また、トレリナ™成形品は硬いため、成形品の粉砕時にカッター刃が摩耗する恐れがあり、金属の微粉が混入する可能性がありますので、特に小型の電気部品にご使用される場合には注意が必要です。その他、再生材を使用した場合に流動性や固化特性など成形性に影響がでることがあります。
なお参考のため、UL認定材料については、UL746Dに"重量で25%を超える熱可塑性の再生材を使用した材料で部品を成形してはならない。ただし別途の調査の結果、特定の部品の性能が低下しないことが認められたときはこの限りではない。"との規定があります。

  • Fig.5.1 再生特性/引張り強さ(A504X90)Fig.5.1 再生特性/引張り強さ(A504X90)
  • Fig.5.2 再生特性/引張り伸び(A504X90)Fig.5.2 再生特性/引張り伸び(A504X90)
  • Fig.5.3 再生特性/曲げ強さ(A504X90)Fig.5.3 再生特性/曲げ強さ(A504X90)
  • Fig.5.4 再生特性/曲げ弾性率(A504X90)Fig.5.4 再生特性/曲げ弾性率(A504X90)