ナイロン12微粒子

東レが開発した真球状のナイロン微粒子です。耐熱性、耐薬品性などポリアミド特有の性質のみならず、均一な粒子径、平滑な表面、優れた分散性などを有し、なめらかな滑り性や独特な柔軟性を発揮します。

製品の特徴

ナイロン12微粒子の特徴

真球形状

どの方向からみても均一なサイズと形状で、製品の品質が安定します。

平滑な粒子表面

滑らかな粒子表面は摩擦を最小限に抑え、伸びの良さや滑らかさに寄与します。

シャープな粒度分布

粒子のサイズが均一なため、製品の品質が安定します。粗大粒子等を含まないため、良分散性にも寄与します。

分散性

優れた分散性で、化粧品や塗料において均一な仕上がりが得られます。

2つの粒子ラインナップ

平均粒径5㎛のSP500と、10㎛のSP10という2つのラインナップがあります。

選ばれる理由

十分な伸びの良さや滑らかさをもつ真球状の粒子

当社独自のポリマー設計技術により、真球状の粒子作製を実現。粒子表面も平滑であり、非常に整った粒子形状をしています。 平滑な真球形状を有することで、摩擦を最小限に抑えることができ、伸びの良さや滑らかさに寄与します。これら特徴によって、長年化粧品分野では感触改良材として使用されてきました。

PA12のSEM画像

粒子拡大図
粒子拡大図

分散性や品質安定に貢献するシャープな粒度分布(均一な粒子径)

非常にシャープな粒度分布を示し、均一な粒子サイズをもちます。このため、優れた分散性をもち、製品の品質を安定させることで、化粧品用途やフィルムのアンチブロッキング材、半導体封止材や接着剤に適します。平均粒径は、約5㎛(SP500)と約10㎛(SP10)の2グレードを展開しています。

ナイロン12微粒子 SP500の粒度分布

ナイロン12微粒子 SP10の粒度分布

SP500、SP10の物性値

項目 SP500 SP10
平均粒径 5~6µm 7~10µm
比重 1.02 1.02
融点 165°C~171°C 165°C~171°C
カサ 4.5ml/g 3.2ml/g
水可溶分 0.5%以下 0.4%以下
強熱残分 0.5%以下 0.5%以下
水懸濁液 pH 6.0~8.0 6.0~8.0
ヒ素 AB203として1ppm以下 AB203として1ppm以下
重金属 10ppm以下 10ppm以下
屈折率 1.53 -
弾性率 1.12GPa -
10%圧縮変位強度 40MPa -
誘電正接 0.0082 -
比誘電率 2.293 -

※本データは特定条件下で得られた測定値の代表例であって、保証値ではございません。

主な用途

化粧品

ナイロン12微粒子(PA12)は化粧品の感触改良材として50年以上の歴史を有しています。感触改良材として使用される粒子のなかでも、最終製品の「しっとり感」や「柔らかさ」が特に優れていると評価されており、ファンデーション、カラーコスメ、日焼け止め、ヘアスプレー、クリームなど、幅広い用途で採用されています。

化粧品用パウダーの位置づけ

出典:株式会社富士キメラ総研「2023年 微粉体市場の現状と将来展望」より当社作成

2024年には、欧州で規制が進められている化粧品向けマイクロプラスチックビーズの代替品として、海洋生分解性を有するナイロン4微粒子(PA4)を開発しました。本製品はナイロン12微粒子(SP500)と同等の真球性・粒度分布を示す一方で、十分な生分解性を示すことがOECD 301F試験によって確認されています。

※OECD 301F:OECDテストガイドラインに示された生分解性試験の一種で、28日間で60%以上生分解性が確認できると「易生分解性」と判断される。

PA4(開発品) SEM画像

PA4(開発品) 粒度分布

PA4(開発品) 生分解性の確認

生分解性(OECD 301F)

活性汚泥中において、N2 28日間で60%以上分解されると「易生分解性」と認められる。

→PA4(開発品)は28日間で90%程度の高い生分解性を確認。

海洋生分解性(ASTM D6691)

活性汚泥よりも微生物の少ない海洋中における生分解性の確認。

→PA4(開発品)は120日で90%を超える生分解性を確認。

工業製品

真球性で粒子径が均一であるという粒子形状の特性と、ポリアミドの特性である耐熱性・耐薬品性や柔らかさを活かし、工業用途での採用も広がっています。主な用途例としては次のようなものがあります。

  • フィルムのアンチブロッキング材
  • 半導体封止材や接着剤
  • インク・塗料
  • OAゴムロール

フィルムのアンチブロッキング材としてのPA12の活用イメージ

ナイロン12微粒子:アンチブロッキング効果/別の役割効果を持つフィルムがくっつかないように浮かせることで、各フィルムの効果を十分に発揮することができる。

導電性接着剤をはじめとする封⽌/接着関係でのPA12活⽤イメージ

SPの添加によって、粘度や体積抵抗、基盤⇔ICチップの密着性が良化。また、剥離強度UPの効果も確認されれた銀の添加量を減らせるメリットもあり。応力緩和剤として、接着剤関係だけでなく、封止関係全体への展開が期待される。