エレクトロニクス

半導体やスマートフォン、PCをはじめとするエレクトロニクス機器の進化は、優れた材料技術によって支えられています。特に、パワー半導体や半導体製造装置において、耐熱性、耐電圧性、成形性に優れた樹脂材料が不可欠です。
東レでは、優れた特性を備え、精密な設計や高効率な製造プロセスを実現する樹脂材料を提供し、エレクトロニクス機器の性能向上に貢献します。

パワー半導体

EV(電気自動車)や再生可能エネルギーの普及に伴って次世代パワー半導体の需要が急速に拡大しており、高電圧や大電流(高電流密度)に対応できる材料が求められています。
東レの樹脂は、優れた耐熱性と絶縁性能を備え、過酷な動作環境でも安定した性能を維持。EV用インバーターや急速充電スタンド、省エネ家電、産業用モーター制御装置の部品など、幅広い用途で採用されています。

パワーモジュール

パワーモジュールのケースやフレームには、150℃〜200℃の動作温度にも耐えられる高い耐熱性と絶縁性能が求められます。また、小型化、高電圧化が進み、耐トラッキング特性への要求も高まっています。
東レのPPS樹脂は高温環境下でも高い絶縁性と寸法安定性を保ち、PPAなど他素材と比較しても優れた性能を発揮します。

グレード

A660H V

CTIランク0を達成するとともにPPS最高レベルの高放熱特性を実現し、従来PPS樹脂の弱点であった耐トラッキング特性を克服しました。
絶縁特性、耐トラッキング特性、高放熱性、高寸法性が必要な用途で多くのお客様に選ばれています。

新規開発グレード

耐トラッキング特性と耐ヒートサイクル特性を兼ね備えた材料を熱望するお客様の声に応え、それぞれの技術を掛け合わせて高次元で均衡させた新しい材料です。

半導体製造装置(薬液関連)

半導体製造装置には、使用する薬品によって金属が使用できない部品があり、現在は耐薬品性に優れたフッ素樹脂製が主流ですが、近年、環境規制、特にPFAS(有機フッ素化合物)対策が急務となっています。そのほか、装置内部ではウエハーの耐汚染性や耐埃性が重要なニーズとなっています。
東レはフッ素樹脂に替えて、トレリナ(PPS樹脂)やトレカ樹脂(CFRTP)を提供し、これらの課題を解決します。

薬液ポンプ、バルブ、流量計

半導体製造装置のポンプ筐体には、耐薬品性と金属イオンの低溶出が求められます。
東レでは強度や剛性、軽量化に優れた樹脂材料を提供し、筐体設計の最適化と製品の軽量化、さらには設置スペースの有効活用を実現します。

グレード

A900

半導体製造装置ではウエハーの破損を予防するためガラス繊維強化樹脂の使用が制限されています。本グレードはPPS非強化材であり、フッ素樹脂同等の耐薬品性を有しながら、高強度、高剛性、低比重という点でフッ素樹脂よりも優れた特性を備えています。

A630T-30V

PPS樹脂に炭素繊維を配合したトレカ樹脂のグレードです。優れた強度と高耐熱性、低不純物性、長期高温特性、さらに帯電性も兼ね備え、ウエハーの汚染と静電気による破損対策に有効です。また、フッ酸などの劇薬にも耐性があります。

>A673M T

PPS樹脂にガラス繊維とエラストマを配合したグレードです。プロピレングリコール、エチレングリコール、純水などによる冷却液の供給に用いるポンプやバルブ、流量計用途として推奨しています。

半導体製造装置

半導体の製造工程においても、東レの樹脂が幅広く活躍しています。耐薬品性、帯電防止性、耐摩耗性に優れ、クリーン環境下での使用に適していること、また、軽量かつ高剛性であるため、装置の効率化や省エネルギー化にも貢献することから、これまで多くの装置部品に採用され、半導体製造を支えています。

搬送トレー

搬送トレーは、ウエハーをはじめとした材料の安全な移動を支える重要な部品です。東レの樹脂は耐薬品性、帯電防止性、耐摩耗性など、各プロセスにおいて要求される特性に応じて最適な材料を提案します。

グレード

TP10 U

トヨラックパレル™の代表グレード。独自のポリマーアロイ技術により、高い帯電防止性能を実現し、搬送トレー用途で採用が進んでいます。
透明グレード、着色グレードなど幅広くラインアップしており、ハードトレーとソフトトレー、両方の提案が可能です。

新規開発グレード

搬送トレーには変性PPE が広く用いられますが、東レはPBT樹脂に特殊なフィラーを配合した新グレードを開発。同用途に新たな価値を提案します。

コーター

コーティング工程では、均一な塗布と精密な制御が不可欠です。
東レの樹脂は、耐薬品性、低アウトガス性、高精度な成形性を備え、クリーン環境下でも安定した性能を発揮します。軽量かつ高剛性で、装置の負荷を軽減しながら耐久性を向上させ、高品質な半導体製造を支えます。

グレード

A673M T

PPS樹脂にガラス繊維とエラストマを配合したグレードです。優れた耐薬品性と高い真円度を実現し、ウエハ洗浄時の割れ防止に貢献します。成形品の研磨性にも優れ、薬液塗布プロセスでの精度向上をサポートします。

スマートフォン/PC

スマートフォンやPC分野では、部品の軽量化、高耐久性、デザイン性が求められ、これに対応する高機能樹脂の需要が急増しています。
東レの樹脂は優れた成形性と耐衝撃性を兼ね備え、精密部品から外装パネルまで幅広く活躍します。また、環境対応素材の開発にも注力し、持続可能な製品づくりをサポート。最新の採用事例やカスタマイズ提案を通じて、製品の競争力強化に貢献します。

筐体

スマートフォンやPCの筐体に使用される樹脂材料は、軽量かつ高い耐久性により、製品の強度向上に貢献します。
東レのPPS樹脂は、耐熱性や難燃性、寸法安定性に優れ、特に精密部品の成形に適しています。また、持ち運びの利便性のために薄型化、軽量化が進むノートPCにおいてもその設計自由度を高め、高性能化とデザイン性向上を両立します。

グレード

2107G-X01

PBT樹脂と他樹脂を混合し、さらにガラス繊維を配合したグレードです。金属接合力と耐薬品性を高いレベルで実現した特殊グレードで、多くのスマートフォン筐体に採用されています。

A604 L02

低塩素溶出の特殊PPS樹脂にガラス繊維を配合したグレードです。軽量化を目的に樹脂製筐体が増える一方で、塩素の溶出への懸念も高まっているため、東レではこの規制をクリアするべく開発したものです。PC用途のほかにも、ミニブレーカーなどの周辺部品で採用が進んでいます。

LX80M25A H

高い溶融流動性を有するLCP樹脂にガラス繊維と無機フィラーを配合したグレードです。高い流動性や低反り性が求められる、挟ピッチコネクタ・FPCコネクタに最適です。