ECU (Electronic Control Unit)

車載ECU(電子制御ユニット)は、自動車の電子制御システムの中核を担っており、安全性・燃費・快適性の向上に貢献します。近年、ADAS(先進運転支援システム)やEV(電動車)の進展により、ECUの高性能化・耐環境性が求められています。また、ECUの統合が進みソフトウェアの重要性が増大しています。今後はOTA(無線更新)やサイバーセキュリティ対策が必須になり、耐熱性・絶縁性・軽量化を実現する高機能樹脂材料の需要が高まると予想されています。東レは、こうした需要に対応する樹脂ソリューションを提供することにより、ECUの進化を支え自動車業界の発展に貢献します。

統合ECU

自動車の電子制御システムの高度化に伴い、ECUの統合が進んでいます。従来は個別に分散していたECUをDomain ECU、Zone ECU、Central ECU、Gateway ECUなどに統合することで、システムの軽量化、コスト削減、ソフトウェアアップデートの効率化が可能になります。ADAS(先進運転支援システム)のECUが統合されると、高性能プロセッサの発熱問題が顕在化するため、効果的な放熱設計が求められます。東レの高耐熱・高放熱性樹脂材料は、次世代ECUの進化を支える最適なソリューションを提供します。

ハウジング(筐体)

統合ECUの大型化に伴い、高精度な寸法管理が必要です。特にADAS統合時には放熱対策が重要となり、熱伝導性の高い材料や放熱設計が求められます。また、耐久性向上のため、エポキシ接着による強固な接合と気密性が不可欠です。

PPSグレード

A660H V

PPS特有の高い寸法精度や耐薬品性(水冷対応)に加えて、一般PPSよりもさらに放熱性を高めるなど、統合ECUに適した材料を開発しました。

PBTグレード

7151G-30

PBT随一の寸法精度によって、あらゆるECUに採用いただいています。また、7151G30Bのリサイクルグレードである7151GE-30も開発しました。

7151G-F03 B

寸法精度とシリコン接着性、ハイサイクル成形(生産性)をバランスした材料として数多くのECUに採用されています。

冷却機構

統合ECUの高性能化に伴い、発熱対策として空冷(ファン)や水冷(樹脂流路)などの冷却機構が採用されています。東レは、空冷用ファンやハウジング一体型の水冷用樹脂流路への材料提供を通じて、軽量かつ高効率な放熱を実現し、ECUの安定動作に貢献します。

グレード

A504X90

空冷ファンに適用すると高速回転時のしなりを低減できる、剛性の高いPPS樹脂です。空力損失を最小化し送風効率が向上することが分かっており、多くのファンメーカーに採用されています。

A673M T

PPS特有の高い寸法精度や耐薬品性を有しています。さらに、パイプ形状の成形品製造に適した無理抜き工法ができる柔軟性を付与した材料を取り揃えています。A673MTBは、すでに樹脂インバータのウォータージャケットにも採用されています。

熱マネジメント

シフトバイワイヤECU

シフトバイワイヤは、従来の機械式シフトを電子制御化しシフト操作の精度向上、軽量化、省スペース化を実現する技術です。EV化や自動運転の進展に伴い、シフトレバーの自由な配置や自動シフト制御が可能となり、操作性と安全性の向上に貢献します。SBWの中核部品の一つがECUであり、ドライバーの操作信号を瞬時に処理し、モーターやアクチュエータを制御する役割を担います。特にフェールセーフ機能、耐熱・耐振動性が求められ、高性能なECUとそのハウジング材料の選定が不可欠です。東レの高機能樹脂は、シフトバイワイヤ向けECUの小型化や高放熱化を実現し、次世代車両の進化を支えます。

ハウジング

シフトバイワイヤのECUは、高性能な基盤と小型ハウジングの両立が要求されます。基盤を高性能化すると発熱量が増加し、部品を小型化する難易度が高まりますが、東レはお客様に寄り添い材料に工夫を施します。振動溶着採用によるボルトレス化や、アルミプレートのインサート成形による高放熱化などをご提案しています。

グレード

6207G-30 B

特許化技術により、PBT樹脂でありながら高い溶着のロバスト性と気密性を確立した材料です。振動溶着性に優れていることに加え、耐ヒートサイクル性を付与することで放熱用のアルミプレートのインサート成形を可能としています。サスペンションやシャシー周辺部品のECUに広く採用実績があります。

5001G-30

より高い耐ヒートサイクル性と、従来のPBT樹脂において弱点とされてきた耐加水分解特性を両立した材料です。設計上、振動溶着が不要な場合にご提案します。

TCU (Telematic Control Unit)

TCU(Telematics Control Unit)は、車両と外部ネットワークを接続し、通信・データ管理を担うECUです。近年、5G対応やV2X(車車間・路車間通信)の進化によって、より高速かつ大容量のデータ通信が求められ、TCUの高性能化が進んでいます。これに伴い、小型化・高温対策が重要になり、高機能樹脂の採用が拡大しています。

ハウジング

TCU(Telematics Control Unit)は5G・V2X通信の活用が進んだことにより、高速処理による発熱対策が不可欠です。そのためABSなどの汎用材料ではなく、融点100℃以上の高耐熱性を持つ材料が求められます。さらに、TCUは精密な電子部品を内蔵するため、高い寸法精度が重要です。東レは、こうした要求を満たすPBTを提供し、すでにTCU向けに広く採用されています。

グレード

7151G-30

PBT随一の寸法精度によって、あらゆるECUに採用されている材料です。各グローバル現地生産品をご提案可能です。

7164G-X02

寸法精度に加え、欧州を中心とした難燃要求に応える材料です。また、従来のPBTの弱点とされてきた耐加水分解性を付与することで幅広い搭載位置に適合しています。