こんな課題で
お困りでないでしょうか
- PBT、PPSを
レーザー溶着したい - 樹脂材料のレーザー溶着の
設計自由度を高めたい - 高機能デバイス部品製造の
タクトタイムを短縮したい
東レのご提案
電子部品への採用が進むPBT樹脂、耐熱性や耐薬品性に優れたPPS樹脂について
高いレーザー透過率を備えたレーザー溶着向け製品を独自開発。
設計自由度の向上やコスト削減に寄与します。
ポイント1
高い透過率で
レーザー溶着に
適したPPS、PBT
ポイント2
樹脂溶着の
設計自由度
を向上
ポイント3
加水分解の防止など
耐久性向上にも寄与
熱可塑性樹脂のレーザー溶着の利用が拡大
自動車、産業分野などで高機能デバイス部品の小型軽量化や高機能化が進むなか、樹脂を材料に採用するケースも増えています。そうしたなかで重要となっているのが、樹脂どうしを接合させる際の方法の選定です。一般にはネジや接着剤を用いたり、回転や振動を加えて摩擦熱で溶着させるなどの方法がとられますが、削りかすがロスとなる、強い振動や圧力で部品自体が劣化しかねないといった課題もありました。
そこで近年注目されているのが、熱可塑性樹脂※にレーザーを照射してその熱で溶着させるレーザー溶着です。短時間ででき、ロスが出にくい、材料が劣化しにくいなどの利点から採用が広がっています。一方、電子材料によく使用されるPBTやPPSの加工では、レーザー溶着を採用しづらいことが課題となっています。
※熱可塑性樹脂:融点まで加熱すると軟化する樹脂。樹脂にはこのほか、再加熱しても軟化しない熱硬化樹脂などが存在する
樹脂のレーザー溶着の原理
貼り合わせる予定の樹脂成型品の片方を光の透過率が高い「透過材」、もう片方の光を吸収する「吸収材」で成型し、2つを合わせた状態で透過材の側からレーザーを照射。これによりまず吸収剤表面が熱を持ち溶融、その熱が伝わって透過材の表面も溶けるため、最後に冷やすことで溶着できる。溶ける範囲は樹脂の接合面にとどまるため、成型品のゆがみが生じにくく、高い強度を得やすい。
レーザー溶着と他の溶着方法との比較
| レーザー溶着 | DSI成形 | 熱板溶着 | スピン溶着 | 振動溶着 | 超音波溶着 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 適合形状 | 一部限定あり (レーザービームと製品 の干渉による制限) |
一部限定あり (金型抜き形状の制限) |
極端な3次元 形状以外 |
円筒形のみ | 極端な3次元形状 以外 (振動方向による 制限) |
一部制限あり (小さい製品) |
| 適合材料 | 一部不可 (レーザー透過と吸収性 を有する材料組合せ) |
熱可塑全般 | 熱可塑一部不可 | 熱可塑全般 | 熱可塑全般 | 熱可塑全般 |
| 接合部外観 | 良好 | 良好 | 一部はみ出し | 一部はみ出し | 一部はみ出し | 一部はみ出し |
| 作業環境 | 問題なし (法規制で遮蔽が必要) |
2次加工(接合)の 必要なし (射出形成 型内融着) |
臭気あり | 問題なし | 騒音あり | 騒音あり |
| サイクル | 速い | 製品取り出し: 1回 / 2ショット |
遅い | 速い | 速い | 速い |
| 消費電力 | 小 | 大 | 小 | 小 | 中 | 小 |
| 装置価格 | 中 | 高 | 低 | 低 | 中 | 低 |
| 自動化 | 容易 | 容易 | 容易 | 容易 | 容易 | 容易 |
| 再現性 | 高 | 高 | 低 | 高 | 高 | 高 |
| 内蔵品への影響 | 振動・熱なし | ー | 熱 | 回転 | 振動 | 振動 |
レーザー溶着に適した高透過率のPBT樹脂、PPS樹脂を開発
耐熱性や耐薬品性など高い機能を有し、電子部品に多く採用されてきた樹脂にPBTやPPSがあります。しかし、いずれも内部に結晶構造を有した素材で、他の樹脂よりも光を透過させにくいためにレーザー溶着には適しませんでした。
そこで当社は、樹脂の結晶性を制御し、レーザー透過率を高めたPBT「トレコン™︎1251G-30 HL」と、同PPS「トレリナ™︎ A602LX01」を開発しました。トレコン™︎1251G-30
HLは暗色であってもレーザーを透過でき、加水分解にも強いことなどが特徴です。トレリナ™︎ A602LX01は高い透過性を有するためレーザー溶着に用いる成形品を肉厚にでき、耐久性向上などにも寄与します。
結晶性樹脂でのレーザー減衰のイメージ
結晶性樹脂ではレーザー光が内部の結晶にぶつかり、反射、散乱、屈折してしまうため、レーザー溶着における透過材としての使用が困難となる。また、炭素繊維などの配合物(フィラー)を加えている場合でも、同様にレーザー透過率は低くなる。
製品ラインアップ
トレリナ™︎ A602LX01
高い耐熱性と耐薬品性を有するPPS樹脂の結晶化度を制御し、強化材を最適化することで、高いレーザー透過率を実現したPPS樹脂です。一般的なPPSと比べ透過材を肉厚にできるために設計の自由度が高くなるほか、レーザー溶着の正確性も向上します。これにより部品の不具合低減にも寄与する素材です。
主な用途
- ・水電解装置
- ・電気式膨張弁
- ・回転センサー
- ・電動ウォーターポンプ
トレコン™︎ 1251G-30 HL
東レの技術で実現した、レーザー溶着に適したPBT樹脂です。結晶性の制御によりレーザー透過率を向上するだけでなく、結晶性樹脂の難点である成型時の収縮も緩和。さらに特殊な着色剤の採用などにより、暗色の場合でもレーザー溶着を可能としました。また、PBTは一般に高温高湿の環境では加水分解によって強度が低下しますが、本製品では耐加水分解技術によって強度低下も防いでいます。
主な用途
- ・スピードセンサー(車載)
- ・車載アンテナ部品
- ・RFID筐体
- ・アクチュエータケース
導入サポート
当社はガルバノスキャニングタイプのレーザー溶着ラボ機を保有しており、実際に溶着した試験片のせん断強度測定や、箱型テストピースの気密性確認試験などが実施できます。コンパウンド開発技術やCAE解析技術も活用し、さまざまな角度から樹脂のレーザー溶着に関する分析~ご提案が可能です。
PBTの反りの比較
レーザー溶着によるボルトレス化
「防水×振動レス×短タクトタイム」で注目 レーザー溶着工法に適したPBT、PPS樹脂とは?
昨今の高機能化するデバイス部品の製造では、熱可塑性樹脂を高品質かつ高効率で接合する工程が求められます。内蔵される精密素子への影響がなく、かつタクトタイムを短縮するレーザー溶着工法において、より高品位かつ高効率となるPBT、PPS材料を紹介します。
高性能樹脂のレーザー溶着を実現 レーザー溶着向けPBT、PPSの具体的使用方法とその特性
熱可塑性樹脂のレーザー溶着は、部品製造の生産性と質を高める工法として期待されます。レーザー溶着にPBTやPPSを用いる場合の具体的な方法や、それによって得られる部品の特性を解説します。
ガルバノスキャニングレーザー溶着の特長を最大限に引き出す 生産性向上に貢献する、PBT樹脂 トレコン™ 1251G-30 HL
近年、車載部品の接合工法として、高い溶着品質をもつガルバノスキャニングタイプのレーザー溶着の採用が拡大しています。 東レは、PBT 樹脂の特性はそのままに、ガルバノスキャニングレーザー溶着に最適な、レーザー高透過PBT 樹脂 トレコン™ 1251G-30 HL を開発しました。