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機器分析
樹脂の分析において、多用されている機器は赤外分光分析(FT-IR)、示差走査熱量分析(DSC)です。
樹脂の種類の判別ができるだけではなく、使い方の工夫次第で、結晶構造、接着面の評価などにも活用できます。
これらの機器と並び活用されている機器が、微小領域の全元素分析が短時間で実施できる元素分析装置付き走査型電子顕微鏡(SEM-EDX)です。
Ⅰ. 赤外分光分析(FT-IR)
赤外線を分子に照射すると分子を作っている原子間の振動エネルギーに相当する赤外線を吸収します。
この吸光度合いを調べることによって化合物の構造を特定することができます。有機化合物の構造決定に特に有効となります。


Ⅱ. 示差走査熱量分析(DSC)

ナイロン、PBT、PPSなど多くの熱可塑性樹脂は、熱を加えて徐々に温度を高めていくと、固体から液体に変化します。このときの温度を融点とよび、それぞれの樹脂に固有のものとなり、樹脂の種類の判別などに使用できます。
また、溶融している樹脂を徐々に冷却していくと、液体から固体へと変化します。この時の温度は結晶化温度とよびます。同じ樹脂でも、含まれる成分により、結晶化温度は変化します。
Ⅲ. 元素分析装置付き走査型電子顕微鏡(SEM-EDX)
試料に電子ビームを照射すると2次電子以外に多くの信号が発生します。
これらのうち、元素特有の波長(エネルギー)を持つ特性X線を検出することによりB(ホウ素)~U(ウラン)の元素分析を行うことができます。

元素 | 質量濃度 | 原子数 |
---|---|---|
% | 濃度(%) | |
Na K | 0.66 | 0.90 |
Mg K | 1.61 | 2.09 |
Al K | 11.22 | 13.15 |
Si K | 46.26 | 52.08 |
K K | 0.61 | 0.49 |
Ca K | 39.65 | 31.28 |
トータル | 100.0 |
ガラス繊維の例